

千葉市中央区の繁華街にある富士見本通り(通称・ナンパ通り)で、違法な路上駐車が常態化している。緊急車両の通行にも支障を来しており、健全な道路環境確保へ、千葉中央署は金曜日の夜、車の通行止めに乗り出した。19日まで実験的に行い、今後の対策に生かす。
(大村慧)
同署によると、違法駐車に関する110番通報や苦情は後を絶たない。市にも多数の苦情が寄せられている。
違法駐車をしている多くは、通りに面した店舗の送迎車や一部店舗従業員による車とみられる。緊急車両の通行妨害に加え、歩行者の安全確保も課題となっていた。
地元町内自治会や商店街から、署や市に違法駐車対策の要望があり、今月5日から道交法に基づく警察署長権限により規制の試行に踏み切った。結果を踏まえ、今後の対策の検討材料にする。
同署はこれまで取り締まりを続けてきたが、「警察がいなくなると、すぐに(車が)戻って来る」(同署交通課長)状態だった。規制中は、隣接する通りへの違法駐車の流出にも、目を光らせるという。
◆近隣駐車場は「空」表示
規制実施前の11月14日金曜日。午後7時ごろ、記者が現地を訪れると、既に通りには10台以上が止まっていた。短時間で移動する車もあったが、このうち、数台は30分以上たっても動くことはなかった。運転者の姿はなく、ある車には持ち主とみられる店の従業員が何度か荷物を取りに来ていた。
一方、徒歩数分のコインパーキングには「空」の表示。周辺のコインパーキング5カ所ほどを確認したが、いずれも空きがあり、駐車スペースの不足が違法駐車の理由でないことは明らかだった。
今回の車両規制は市の定例記者会見でも発表され、神谷俊一市長は「不便かも知れないが、安心で快適なまちづくりのために協力をしてほしい」と話した。




