行員アスリート、世界陸上へ 千葉興銀・矢来舞香さん(26) 競歩35キロ、念願の出場決定 初日号砲「同僚に恩返しを」

念願の世界陸上出場を前に意気込みを語った矢来さん=千葉市美浜区
念願の世界陸上出場を前に意気込みを語った矢来さん=千葉市美浜区
矢来さんは人事部の仕事をこなしながら、練習に励んでいる(千葉興業銀行提供)
矢来さんは人事部の仕事をこなしながら、練習に励んでいる(千葉興業銀行提供)

 千葉興業銀行陸上競技部の矢来舞香(やぎ・まいか)さん(26)が、13~21日に東京・国立競技場で開催される世界陸上選手権の女子35キロ競歩に出場する。銀行業務をこなしながら、トレーニングに汗を流してきた「行員アスリート」は、念願だった初の大舞台を前に「これまで仕事をサポートし、競技の応援もしてくれてきた同僚に恩返しができるように頑張りたい」と力を込めた。レースは大会初日の午前8時にスタートする。

(小野洋)

 矢来さんは兵庫県宝塚市出身で、中京大学卒。同県立西宮高校時代に競歩を始め、全国高校総体で上位に入るなど才能が開花した。大学時代も実績を残し、将来有望なアスリートには多くの企業から誘いがあったが、一般学生と同じ入社試験を受けて、2021年に千葉興銀入りした。

 人事部に所属し、行員の研修などの業務を担当。週5日、午前8時半過ぎから仕事をして、午後は他の行員よりも早い時間に業務を終え、練習に励んできた。23年のアジア大会では35キロ競歩ミックスリレーで銀メダルを獲得、昨年の日本選手権35キロ競歩で3位になるなど結果を出してきた。

 世界陸上と五輪への参加を目標に歩きを続けてきた矢来さんに、世界陸上出場決定の朗報が届いたのは今月2日。「高校時代からの夢の一つがかなってうれしかったが、同時に緊張も感じた」。千葉興銀は行員の夢実現を後押しする取り組みを進めており「同僚や会社の支援があったからこそ、世界陸上に出場できる」と感謝する。

 13日午前8時からのレースは、今大会で一番最初に行われる種目。「後に続く日本の選手が『頑張るぞ』という気持ちになってもらえるような歩きを目指したい」と意気込む。当日は家族が兵庫県から応援に駆け付け、職場の仲間も会場でエールを送る予定。

 矢来さんは「夏の合宿でしっかり練習メニューをこなせたので調整は順調で、自信を持ってスタートラインに立てる」と笑顔で語り「最後まで楽しく歩くことを目標にして、皆さんに元気を与えられるようなレースをしたい」と話した。


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