遠回り無駄じゃない 若者にエール視野広げて お笑いトリオ・ジャングルポケット 斉藤慎二さん(40)=八千代市出身 【千葉県誕生150年 ミライのちば人】

インタビューに応じる斉藤さん=昨年12月10日、船橋市のJRA中山競馬場
インタビューに応じる斉藤さん=昨年12月10日、船橋市のJRA中山競馬場
「ジャングルポケット」の3人。(左から)おたけさん、太田さん、斉藤さん(吉本興業提供)
「ジャングルポケット」の3人。(左から)おたけさん、太田さん、斉藤さん(吉本興業提供)

 トリオやピンでバラエティー番組に引っ張りだこ。年末年始も濃いキャラクターのコントに笑った県民は多いだろう。演技力を買われて俳優業に進出。競馬番組の司会も務める人気者は八千代市で生まれ育った。しかし、道のりは順風満帆だったわけではない。悩み、もがいて歩んできた。

 小中学校時代、いじめに遭った。母親は多忙な教師。打ち明けられない少年の「生きがい」は芝居を見ること。「自分に価値はない。でも役になり切れたら認めてもらえるかも」。舞台、映画、テレビドラマ。演者の姿に希望を託した。

 進学した八千代松陰高で環境も変わる。教室や野球部で「人と話すのはこんなに楽しいんだ」と実感。「俳優になれたら未来は明るい」。高校を出ると実家を離れ、芸術短大で演劇専攻。手応えを感じ、文学座の研究生に。選抜試験で主役をつかんだが、プロへの狭き門を通ったのは別グループのメンバーだった。

 「自信があった分、途方に暮れた。21歳で実家に戻り、船橋の会社で営業マン ・・・

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