イソギンチャク「注目の新種」に ヤドカリと共存共栄を“評価”

ヤドカリのすむ貝に付着するヒメキンカライソギンチャク(鳥羽水族館提供)

 三重県鳥羽市の鳥羽水族館が熊野灘で採集したヒメキンカライソギンチャクが、国際的な海洋生物データベース「国際海洋生物種目録(WoRMS)」から「世界の注目すべき海洋生物の新種トップ10」に選ばれた。ヤドカリがすむ貝殻の上に共生し、分泌物で貝を大きくする代わりに行動範囲を広げてもらう生態が“評価”された。

 同水族館の「へんな生きもの研究所」で生体展示されており、担当者は「熊野灘の生物の生態を明らかにし、来場者に知ってもらいたい」としている。

 ヒメキンカライソギンチャクは高さ1〜2センチ、幅3〜4センチほどで、房総半島から紀伊半島にかけての深海底に生息する。

 ヤドカリの貝殻に付着して共生し、自身から出る粘液で貝を“増築”してあげるのが特徴。ヤドカリはすみかを補強してもらえる一方、ヒメキンカライソギンチャクにとっても貝殻にくっつくことで行動範囲が広がったり、ヤドカリの食べ残しにありつくことができたりといったメリットがある。


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