本州唯一「クマなし県」千葉なぜ 全国で被害相次ぐ 地理的条件要因か 一安心?将来的にもリスク低く 県立中央博物館下稲葉研究員

千葉県にクマがいない理由について説明する下稲葉さん=千葉市中央区の県立中央博物館
千葉県にクマがいない理由について説明する下稲葉さん=千葉市中央区の県立中央博物館
水色が2004年の環境省によるクマの確認地点、赤色はその後の分布拡大エリア(14年3月の日本クマネットワークの報告書より)
水色が2004年の環境省によるクマの確認地点、赤色はその後の分布拡大エリア(14年3月の日本クマネットワークの報告書より)

 クマが街に出没して人が襲われるなどの被害が全国で相次いでいるが、実は本州で唯一、千葉県はクマが生息していない「クマなし県」であることをご存じだろうか? かつては千葉、茨城の両県にクマがいないとされていたが、NGOの約10年前の調査報告で茨城の出没例が確認され、晴れて千葉のみとなった。それにしても、もっと都会のイメージがある東京都や大阪府でも出没例があるのに、千葉にいないのは意外な気もする。そこで、千葉になぜクマがいないのか、今後クマが千葉にやってくる可能性はあるのか、専門家に聞いてみた。

 国内にいるクマは2種類で、北海道はヒグマ、本州以南にはツキノワグマが生息している。環境省とNGO「日本クマネットワーク」が公表しているツキノワグマの分布図によると、本州の広い範囲で生息が確認されるが、関東では北部と西部に限られる。なお、九州ではかつて生息したが、今は絶滅したとされる。

 2004年の環境省の調査では、千葉県だけでなく、茨城県にもいないと考えられていた。しかし ・・・

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