【千葉魂】ロッテ小島、ロッカーで学んだ打者心理 マーティンから助言

プロ3年目で初の2桁勝利を挙げた小島=ZOZOマリン
プロ3年目で初の2桁勝利を挙げた小島=ZOZOマリン

 ZOZOマリンスタジアムのロッカールームは真ん中にソファが置かれ、部屋を囲むように壁側に選手ロッカーが並ぶ。小島和哉投手の座る場所の右側にはテレビを挟んでレオネス・マーティン外野手がいる。必然的に話す機会も増える。

 「いろいろな話をしてくれます。アドバイスもしてもらいます。メジャーで活躍された方のお話は貴重ですし本当に勉強になります」と小島は話す。

 通常、投手と野手は練習時間やメニューも違うことから話し込む機会はあまりないものだが、このロッカー配置の縁もあり、積極的に話をするようになった。

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 昨年7勝を挙げ、今季のさらなる飛躍に燃えてスタートした一年だが開幕当初、小島は思ったようには白星を伸ばすことができなかった。球数が増え、早い回に途中交代することも多かった。選手ロッカーに戻り、天井を見上げ、大きなため息をつく毎日。そんな若者の姿を見ていたマーティンは話し掛けた。

 「バッターってさあ、ピッチャーの雰囲気とかを結構、感じるものだよ。目つき、顔つき。強気に攻めてやるぞという雰囲気というのかな。だからマウンドでは堂々として攻めてやるぞという雰囲気は出した方がいいと思う」

 小島にとって忘れられないアドバイスだ。目からうろこが落ちたような表情を見せる小島にマーティンは続けた。「いいところに投げるのも大事だけど、バッターが嫌なことをするのも大事だよ」。普段はマウンドからの自分目線しか分からない。しかし、少し視点を変え打席での打者の目線について思いを巡らせてみると、マーティンのアドバイスは納得できるものだった。

 それ以外にもいろいろな打者心理を教えてくれた。左打者は左投手と対戦する時にどのような意識でいるか。どのようなボールが打ちづらいと感じているのか。様々な状況下で打者はどんな狙いをもっているものなのか。野球ノートをつけるなどこれまで自分の中での発見、感じたことをピッチングに生かし成長を続けてきた小島にとって、マリーンズを引っ張る左の強打者の打者心理は興味深く、たくさんのヒントがあった。

 それからはロッカーで試合前も試合後もいろいろな質問を投げかけるようになった。時にはマーティンがライトを守っていて気が付いたこと。故障中にテレビ観戦をしていて思ったことなども教えてくれた。登板後はいつも「あの球、良かったね」と褒めてくれた。

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 小島は10月3日の仙台でのイーグルス戦でプロ入り初の10勝目を挙げた。4連敗で沈むチームを救う貴重な勝利は今季2度目の完封勝利だった。この日、2軍で復帰に向けて調整中だったマーティンはテレビ観戦。「しっかり攻めている。いい投球だ」と何度もテレビ画面に話し掛けるように見守った。そして試合が終了すると「ハッピーデイ!」と破顔した。

 「マーティンさんと話をしていると発見がたくさんある。これからも攻めの投球をしていきたいと思う」と小島。
 シーズンは最終盤に入った。バファローズとの優勝争いは、し烈を極めている。今季、飛躍し続ける若き左腕は1974年以来のリーグ1位でのリーグ優勝を目指すマリーンズのキーマンだ。背番号「43」はマウンドで魂の投球を続ける。攻めのピッチングで打者を圧倒し、優勝をたぐり寄せる。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)



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