民間初、希少疾患患者様が全ゲノム情報を取得・管理できる事業を開始

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ジーネックス株式会社
ジーネックス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:八木研、以下「ジーネックス」)は、指定難病であるミトコンドリア病の病態解明や診断・治療法開発などを目指す共同研究に参画し、患者様本人に代わり全ゲノム情報を取得・管理する新たなモデル事業を2022年1月に開始しました。 ※民間初=当社調べ(2022年1月11日現在)。

本事業は、埼玉医科大学、千葉県こども病院、順天堂大学との多機関共同研究の実施許可を受けており、セキュリティの高いシステムを有するジーネックスが希少疾患患者様からの全ゲノム情報の預託先を担います。なお、個人からの全ゲノム情報の預託は、医療機関や大学等研究機関でない本邦の民間企業では初めての例になります。ジーネックスは本事業の発展を通じて、患者個人が自ら判断して他の患者・当事者や社会へ価値を提供でき、かつ自身も治験参加や診断・治療法の選択肢の充実、生活の質の向上といった便益を享受できる、患者・市民参画を体現した持続的な仕組みの実装に貢献してまいります。

 

■背景
指定難病をはじめとする希少疾患の患者の方々は、時に確定診断や治療法にたどり着くまで何十年も費やします。一方で、一人ひとりのゲノム情報を詳しく、くまなく調べられるようになり、希少疾患の理解も進んできました。全ゲノム情報は患者自身にも、ひいては同じ疾患に苦しむ他の患者にも決定的な価値を生む源泉です。しかし、本邦において「個人が自らの全ゲノム情報を直接取得・管理する手段」はこれまでありませんでした。

■概要
ジーネックスはミトコンドリア病(注1)を対象として、患者様本人に代わり全ゲノム情報(注2)を取得・管理する事業を開始し、医師と協力して診断確定や治験組み入れなどを支援します。これに先立ち、2021年6月30日に施行された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の下、倫理審査委員会の審査を経て埼玉医科大学、千葉県こども病院、順天堂大学との多機関共同研究(研究代表者:大竹明 埼玉医科大学小児科/ゲノム医療科教授)の実施許可を受け、電磁的方法を用いたインフォームド・コンセントや唾液検体収集の手続きを整備しました。患者様から預託される全ゲノム情報は「Personal Data Bank(パーソナルデータバンク、PDBank)(TM)」(注3)サービスで適切に保護しつつ、情報の利活用などに関する個別の同意状況を安全に管理します。

ジーネックスは今後、同意を得た16歳以上のミトコンドリア病患者様から全ゲノム情報を取得し、検査レポートを発行するなどして臨床現場へ知見を還元します。また、共同研究の枠組みで、研究機関が15年以上にわたり集積し続ける臨床情報などとゲノム情報を組み合わせて利活用することで、新たな成果の創出を目指します。

■今後の展望
ジーネックスは、個人が自身の全ゲノム情報を「誰と(=提供先)」「いつどのように(=同意内容)」用いるかを一元管理できる未来を描いています。ジーネックスは本事業をその第一段階と位置づけ、共同研究で得られる知的財産や特徴的なデータセットを創薬や治験などにつなげて価値を高めるべく、製薬企業や患者支援団体などと連帯を図ります。また、世界で約4億人とされる希少疾患・未診断状態の方々も見据え、他の疾患やヘルスケア領域への展開を通じて事業のスケールアップと収益化を目指します。

これまで事業性や個人情報管理の観点でハイリスクとされ、企業治験へ移行されにくいなど課題が多く存在する希少疾患領域ですが、近年は各国の製薬企業が戦略的に研究開発に取り組んでいます。こうした追い風を受けて、ジーネックスは希少疾患を突破口としてゲノム医療エコシステム構築の概念実証に挑戦します。

■用語解説
(注1)ミトコンドリア病
ミトコンドリアの働きが低下することが原因で起こる病気の総称で、最も頻度の高い先天代謝異常症です。出生5000人に1人の割合で発症し、特に幼少期に発症した場合は症状が多彩で重篤致死の症例が多いにもかかわらず、根治的治療法がなく、対症療法にとどまります。成人後にゆるやかに発症する場合もあり、ミトコンドリアの働きに影響を与え、各臓器・組織で発症に至らせる遺伝要因・環境要因のさらなる解明が待たれています。

ミトコンドリア病の患者数は、国の特定医療費(指定難病)受給者証所持者ベースで全国約1500人ですが、潜在的には約2万人とも見込まれています。さらに、ミトコンドリア機能不全は糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病などでも関連性が指摘されており、生物学的には老化やがんとも深く関わります。ミトコンドリア病を特徴づける質の高い情報を集めることで、診断・治療法の開発の加速や既存薬の適応拡大、さらには関連疾患の理解の進展に伴う疾患の層別化などが期待されます。

(注2)全ゲノム情報
ヒトゲノムを構成する30億の塩基配列から得られる情報で、遺伝子パネル検査や全エクソーム解析では得られない、イントロンや調節領域、さらにゲノム構造などの情報を含みます。ミトコンドリア病などの希少疾患では、経験豊富な医師であっても症状と一般的な検査結果のみで診断の当たりをつけることが難しく、予断なく網羅的に探索する有力な手段として全ゲノム解析が用いられます。また、全ゲノム情報を詳しく調べることで、疾患の新たな原因遺伝子などの創薬標的候補が見つかる可能性があると考えられています。

(注3)「Personal Data Bank(パーソナルデータバンク、PDBank)(TM)」
個人から預託された全ゲノム情報を適切に保護しつつ、情報の利活用などに関する個別の同意状況を安全に管理できるサービスです。国が推進する「情報銀行(情報利用信用銀行)」の認定スキームの下で、個人情報の取り扱いや安全管理基準についての認証を取得するなど一定の水準を満たすと認定された株式会社DataSignの「paspit」をベースとした「paspit for X」を活用し、要配慮個人情報となり得る全ゲノム情報も安心して預託できるシステムをジーネックスが新たに構築しました。 ※株式会社DataSign https://datasign.jp/

【ジーネックス株式会社について】
ゲノムおよびヘルスケアに関するデータプラットフォームの企画・運営を事業内容として2019年8月に設立された、マネックスグループ株式会社、株式会社スギ薬局、科研製薬株式会社 他を株主とするスタートアップです。

以上
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