精神科医の中井久夫さんが死去 災害被災者の心のケアも

中井久夫さん

 統合失調症研究の第一人者で、阪神大震災など災害被災者の心のケアにも先駆的に取り組んだ精神科医で神戸大名誉教授の中井久夫(なかい・ひさお)さんが8日午前11時5分、肺炎のため神戸市内の施設で死去した。88歳。奈良県出身。葬儀は近親者で行う。喪主は長男伸一(しんいち)氏。

 京都大卒。ウイルス研究から精神医学に転じ、名古屋市立大助教授を経て神戸大教授に。考案した「風景構成法」などの絵画療法を用い、統合失調症患者の回復状況を捉える診療法を開拓、高く評価された。

 阪神大震災では被災者らの支援に尽力。災害や事件の後、当事者の精神的ケアを大切にする考えを社会に広めた。


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