制服組、防衛予算を査定 文民統制に影響懸念も

東京・市谷の防衛省=8日午後

 防衛省の2023年度予算要求を決定する省内の調整で、制服組自衛官を中心とする統合幕僚監部(統幕)が査定側に加わったことが8日、政府関係者への取材で分かった。これまで省内の査定では、背広組の防衛官僚(文官)が中心の内部部局(内局)で陸海空自衛隊の要望を精査し、財務省への要求を決めていた。

 省内査定で、背広組のチェック機能が低下し、制服組の軍事的意見に偏重する恐れがある。安全保障環境の厳しさを理由に従来より制服組の意見が強まって権限強化が拡大すれば、旧軍の暴走を許した戦前の反省に立つ、政治が軍事に優越するとの「文民統制」の原則が脅かされる懸念もある。


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