旅先で病気、受診無理かも 専門家コロナ対策呼びかけ

那覇市中心部の国際通りで、PCR検査所の前を歩く人たち=7月

 もうすぐお盆休み。新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言などが出ていた昨夏と違い、今年は旅行や帰省が増えそう。しかし流行「第7波」の拡大で、各地で医療が逼迫しており、旅先で体調を崩しても、必要な医療をすぐに受けられない恐れがある。感染症の専門家は「遠距離移動のリスクを分かった上で行動を」と呼びかけ、対策のポイントを作成した。

 この専門家は沖縄県立中部病院の高山義浩医師。全国でも流行状況が深刻な沖縄を訪れる旅行客向けに「旅行前」「旅行中」「旅行後」に分けて対策ポイントをまとめたが「他の地域の訪問を考えている人も参考にしてほしい」と話している。

 まず旅行前。できるだけ3回目の(対象者は4回目も)ワクチン接種を終え、出発直前にはPCR検査を受けて陰性を確認するのが望ましい。

 旅行中は「感染しない、させない」ための行動を。具体的には人混みでのマスク着用、手指衛生にも気を配る。体調が悪いときは外出せずに宿泊先で休み、必要に応じて医療機関や行政の窓口などに相談し指示に従う。現地で医療が逼迫していれば、受診できないリスクがあることも認識しておこう。

 目的地到着前に発症した場合は、飛行機やフェリーなどに乗れなくなり、行き場を失う可能性がある。療養する場所が見つからず、宿を自分で確保しなければならなくなったり、キャンセル料などの負担がかかったりする恐れもあるという。

 旅行から帰った後も、1週間程度は高齢者など重症化リスクの高い人に会うのは控えたい。高山医師は、帰宅後1週間ほどの間にコロナ感染が判明したら、宿泊したホテルなどに連絡してほしいとしている。


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