自民・立民、1人区攻防に注力 エネ、食料価格抑制―首相

京都市で行われた街頭演説に集まった人たち=2日午後(画像の一部を加工しています)

 参院選公示後2度目の週末を迎えた2日、与野党党首は激しい攻防が続く改選1人区などに照準を合わせ、支持拡大に力を注いだ。岸田文雄首相は福井市で街頭演説し、エネルギーや食料の価格抑制に万全を期すと表明。立憲民主党の泉健太代表は長野県での演説で、生活防衛の観点から、年金生活者への追加給付を唱えた。他党も都市部などで主張を展開。10日の投票日をにらみ、トップ同士の舌戦は熱を帯びた。

 首相と泉氏は1人区が、選挙全体の勝敗を左右するとして重視する。首相は外遊による中断はあったが、過去の選挙で敗れた宮城や沖縄など8選挙区でてこ入れ。2日は福井や滋賀を訪れ、今後も新潟や大分などに足を運ぶ予定だ。泉氏は公示後、10の1人区を回った。2日に入った長野と山梨は2度目の訪問だ。

 首相は福井市でマイクを握り「エネルギー、食料品に特化した政策を用意する」と強調。大津市で、自治体による生活困窮者らへの支援を後押しする1兆円の「地方創生臨時交付金」を必要に応じ増額すると説明した。

 泉氏は長野県松本市で、「生活目線」の政策に取り組む姿勢を訴えるとともに、総額ありきの防衛費増より教育無償化に予算を充てるべきだと力説した。その後、記者団の質問に応じ「エネルギーの逼迫や節電が問題化している」と提起した。

 公明、日本維新の会、共産、国民民主4党は複数区でのアピールに力点を置いた。公明の山口那津男代表は兵庫県川西市で「日本を前へ進めることができる政党を選ぶ選挙だ」と支持を求めた。

 日本維新の会の松井一郎代表は東京都内で街頭演説し、安全性が確認された原発を再稼働させ、電気代を抑えるよう主張。共産党の志位和夫委員長は「電力逼迫に乗じて原発再稼働の大合唱が起きている」と警戒した。国民民主党の玉木雄一郎代表はさいたま市で記者団に、「サハリン2」の問題に関し、日本政府の対応が後手に回っているとの認識を示した。

 れいわ新選組の山本太郎代表、社民党の福島瑞穂党首、NHK党の立花孝志党首もそれぞれ支持を呼びかけた。


  • LINEで送る