支持拡大へ都市部で論戦 参院選、公示後初の週末

参院選公示後、初の週末を迎え、街頭演説に耳を傾ける有権者ら=25日午後、さいたま市

 参院選は25日、公示後初の週末を迎えた。与野党党首らは無党派層の多い都市部に照準を合わせ、街頭で論戦を繰り広げた。岸田文雄首相(自民党総裁)は物価高を乗り越え、賃上げで経済を成長させると主張し支持を呼びかけた。立憲民主党の泉健太代表は岸田政権の経済無策により、物価高に加え円安の進行も止まらないとして首相批判を強めた。

 首相は東京・吉祥寺駅前で演説し「政府が全責任を負い、物価高騰に対応する」と強調。同時に「賃上げの流れを民間に広げ、経済成長につなげる」と訴えた。

 泉氏は福岡市の街頭に立ち「円安が進むほど物価高への影響が大きいのに、首相は参院選の争点にするつもりはなかった」と問題視。その後、長崎市でも「首相はできることに取り組んでいない」と非難した。

 公明党の山口那津男代表は名古屋市でマイクを握った。第三者委員会が適正な賃上げ水準を明示するとした党公約に触れ「みんなが納得できる賃上げを進める」と述べた。

 日本維新の会の馬場伸幸共同代表は横浜市で、首相が表明した節電へのポイント付与に言及。「今求められているのは節電ではなく発電だ」として、安全が確認された原発の再稼働が必要との認識を示した。

 共産党の志位和夫委員長はさいたま市で、消費税の導入後、必要な社会保障は後退したと重ねて指摘し「岸田政権の一番の問題は、国民の苦しみが分からないところだ」と断じた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は千葉県松戸市で、円安について「海外進出した日本企業を国内に回帰させるチャンスだ」と唱えた。

 れいわ新選組の山本太郎代表は東京・御徒町駅前で「消費税を廃止する」と語った。社民党の福島瑞穂党首は東京・新宿駅前で「憲法改正を止める」とアピール。NHK党の立花孝志党首は東京・銀座で「年金生活者からNHK受信料を取るのは大問題だ」と話した。


  • LINEで送る