自民が通達、楽観ムード戒め 野党、物価高への批判票狙う

街頭演説に耳を傾ける人たち=24日午後、千葉県習志野市

 与野党は24日、報道各社の序盤情勢調査を踏まえ、改選複数区を中心にてこ入れを徹底した。自民党は堅調を伝える報道を受け、楽観ムードを戒めるよう文書で通達。岸田文雄首相(党総裁)自ら「全国で大激戦が展開されている」と引き締めた。立憲民主党の泉健太代表は、政権の物価高対策について「ピントがずれている」と断じた。物価高への不満を募らせる有権者を念頭に、政権批判票の受け皿を狙う。

 首相は、非改選の欠員1の補充を含む計5議席を争う神奈川、改選数3の千葉で街頭演説し、支持を呼びかけた。自民の遠藤利明選対委員長は、委員長名義で党内に通達を出し「序盤で好調な情勢が報じられ、厳しい結果に終わった事例は枚挙にいとまがない」と強調。取材には「世界情勢や経済状況がどう変わるか分からない」と語った。

 泉氏は滋賀県草津市で、序盤調査での立民の伸び悩みを記者団から問われ「これから伸びていく。物価高が争点になってきたのは大きな変化だ」と述べた。その後、改選数2の京都で選挙事務所を訪問し激励した。

 公明党の山口那津男代表は改選数4の埼玉で遊説した。草加市で記者団に「選挙戦は始まったばかりだ。説得力のある主張を丁寧にしていく」と話した。

 日本維新の会の馬場伸幸共同代表は、改選数2の茨城に入った。古河市で街頭演説し「これ以上自民を勝たせても、ろくなことはしない」と主張した。

 共産党の志位和夫委員長は改選数2の広島と、改選数3の福岡を訪れた。国民民主党の玉木雄一郎代表は3議席を争う北海道で支持を求めた。

 れいわ新選組、社民党、NHK党も票の掘り起こしを目指す。


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