戦争「永い未来考えさせる」 柳田国男の絵はがき見つかる

柳田国男

 日本民俗学の祖、柳田国男が哲学者谷川徹三に宛てた未発表の書簡が28日までに見つかった。太平洋戦争中の42年8月の絵はがきに「私の心の世界はほのぐらくなりました。戦がいろいろの刺激になって永い未来を考えさせます」と心情を記している。

 谷川の出身地である愛知県常滑市の市民団体が岩波書店から谷川の残した原稿や資料、書簡を借り受け、調べた。谷川は柳田のほか、小説家志賀直哉や阿川弘之らとも親交があったことで知られる。

 柳田の絵はがきは、谷川から新著を贈られたことへのお礼とともに「静かに拝読して久闊の情を慰めたいと思います」とつづられ、2人の親密さがうかがえる。


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