藤原宮造営時の基準くい発見 回廊の中軸線と一致

奈良県橿原市・藤原宮跡

 日本で最初の本格的都城とされる藤原宮(694〜710年、奈良県橿原市)跡の発掘調査で、中枢部の大極殿を囲む回廊部分の地中から2本の木くいが見つかった。約10メートル離れた2本を線で結ぶと、南北に通る回廊の中軸線とほぼ一致。回廊の造営に先立ち、更地に基準線を設定する際に用いられたとみられる。

 藤原宮で、基準くいが見つかるのは初めてという。宮殿建築の造営技術の一端を示し、このほど刊行された奈良文化財研究所(奈良市)の研究紀要に成果が掲載された。

 奈文研は2020年、藤原宮の大極殿北東部を発掘調査。深い地点の土の堆積状況を調べようと掘り下げ、木くいを見つけた。


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