日航事故の遺族、絵本の講演 「さよなら」は前に進む力

講演後に花束を受け取る美谷島邦子さん(右)といせひでこさん=31日午後、長野県安曇野市

 1985年の日航ジャンボ機墜落事故の遺族らでつくる「8・12連絡会」事務局長美谷島邦子さん(74)と、絵本作家のいせひでこさん(72)が31日、長野県安曇野市で講演した。2人は昨年、墜落現場に植えられたもみの木をモデルにした絵本を出版。悲しみと向き合うことで、残された人は前に進むことができるとして、「さよなら」の言葉の持つ力を語った。

 「絵本美術館&コテージ 森のおうち」(同市)が主催。美谷島さんは事故で次男健君=当時(9)=を亡くした。絵本「けんちゃんのもみの木」は、現場となった群馬県上野村の御巣鷹の尾根に植えられた木をもとに命の重さを描いた。


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