放出処理水の濃度測定せず 東電、計算だけで基準判断

敷地内に処理水を保管するタンクが並ぶ東京電力福島第1原発=2月

 東京電力は2年後をめどに実施する福島第1原発処理水の海洋放出で、処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を基準値未満にするために海水で薄めるが、放出前に濃度を測定せず、計算だけで基準を満たしているか判断する方針だ。原子力規制委員会の会合では、有識者から「安全性を示すためにも測定してから放出するべきだ」との声もあり、今後、妥当かどうか議論する。

 トリチウム濃度の国の基準は1リットル当たり6万ベクレルだが、東電は1500ベクレル未満という独自の基準を設定。処理水を海水で100倍以上に薄めて放出するとしている。


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