愛知矢作川、水位低下へ川底掘削 台風19号の千曲川決壊を教訓に

2000年9月、東海豪雨で氾濫した矢作川の「鵜の首」付近。中央は豊田スタジアム=愛知県豊田市(国交省中部地方整備局提供)

 国土交通省中部地方整備局は2日までに、昨年の台風19号で長野市の千曲川の堤防決壊で大きな被害が出たことを教訓に、地形条件の似た愛知県豊田市の矢作川で、川底を掘って水位を下げる事業に着手した。川幅が急に狭くなる「狭窄部」で、2000年の東海豪雨でも氾濫。同整備局は「国内有数のものづくり拠点である豊田市での被害を防ぎたい」としている。

 鵜の首付近の川底を掘り下げることで断面積を増やし、洪水時の水位を80センチ下げる。その後横向きにも川幅を広げ、水位をさらに60センチ下げることも計画する。国の直轄事業で事業期間は10年程度。本年度分の事業費は14億7千万円。


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