避難指示発令の覚悟、克明に記録 有珠山噴火当時の壮瞥町長が残す

山中漠氏(北海道壮瞥町提供)

 事前避難で死傷者が出ず注目を集めた2000年3月の北海道・有珠山噴火当時の壮瞥町長で、昨年6月に71歳で他界した山中漠氏が避難指示発令への覚悟や当時の町役場の動きを克明に記した記録を残していたことが30日、遺族への取材で分かった。噴火は31日で20年。

 遺族によると、山中氏は11年の町長退職後に、噴火当時書き留めたメモを基に記録をまとめた。「私録―もうひとつの2000年有珠山噴火災害対策の記録」とのタイトルでパソコンに保存。関連ファイルが複数あり、遺族は町への提供も検討する。

 冒頭には「不利な事実も隠さず残すことは意味のないものではない」との記載がある。


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