「幻の大仏鉄道」が絵本に 明治時代に京都−奈良で9年運行

絵本「イナヅマごうがやってきた」の表紙

 明治時代に9年間だけ、今の京都府木津川市と奈良市を結んで運行した「幻の大仏鉄道」が題材の絵本「イナヅマごうがやってきた」が福音館書店から出版された。作者は日本画家の小林豊さん(73)。動けなくなった蒸気機関車(SL)を乗客や村人と協力して押し上げた子どもたちが、お礼として憧れのSLに乗せてもらう様子を生き生きと描いた。

 大仏鉄道は私鉄・関西鉄道が1898年に加茂―大仏間で開業し、翌年に奈良駅まで延伸した約10キロの路線。東大寺に近い大仏駅は参拝に重宝された。途中の急坂が難所で、平地を走る現在のJR関西線が開通すると廃線になった。


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