「心のとげ」住宅取り壊しに複雑 世田谷一家殺害で遺族

世田谷一家殺害事件の追悼集会で、スクリーンに映された一家の写真を前に講演する遺族の入江杏さん=7日午後、東京都内

 2000年12月に東京都世田谷区で一家4人が殺害された事件の発生から19年となるのを前に、被害者の宮沢泰子さん=当時(41)=の姉で絵本作家の入江杏さん(62)が7日、都内で「ミシュカの森」と題した追悼集会を開いた。

 現場住宅の老朽化に伴い、今年、警視庁から取り壊しの打診を受けたことに触れ「この家は心に刺さったとげのようなもので見るのはつらい。でも事件が未解決なのに壊してしまっていいのかと葛藤があった」と複雑な心境を明かした。

 スクリーンで一家の写真を紹介。事件当時、隣に住んでいた入江さんは「心は一つの家族だった。一生懸命明るく生きていた」と語った。


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