若き雪舟が描いた作品発見、山口 三つの掛け軸に仙人や文殊菩薩

室町時代の水墨画家・雪舟が若い頃に描いた人物水墨画「騎獅文殊・黄初平・張果老図」が確認された。中央の掛け軸には獅子に座った文殊菩薩、左は張果老、右は黄初平という仙人が描かれている(いずれも個人蔵)

 室町時代の水墨画家・雪舟(1420〜1506年?)が「拙宗」と名乗っていた若い頃に描いた人物水墨画「騎獅文殊・黄初平・張果老図」を山口県立美術館(山口市)が確認し、17日、明らかにした。「拙宗」時代の作品は十数点しかなく、作風の変遷を知る上で貴重な手掛かりとなる。

 確認したのは縦90・2センチ、横38・8センチの三つの掛け軸。三つで一つの作品となっており、中央の掛け軸には獅子に座った文殊菩薩、左右の掛け軸には張果老と黄初平という仙人が描かれている。

 拙宗時代の中でも最も早い時期の作品で、中国の南宋絵画からの影響が見られるという。


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