ピースツーリズム始めます 広島市提唱、被爆遺構巡る

広島市立袋町小に残る安否を尋ねる書き込みが残る壁

 広島市が「ピースツーリズム」と呼ぶ新しい観光ルートの提案を始めた。市によると、観光客の約半数が原爆ドームのある平和記念公園周辺しか訪れておらず、他の被爆建物や記念碑も巡ってもらいたいと企画。担当者は「市が訴える平和への思いをより共有してほしい」と話す。

 原爆ドームから徒歩約10分の市立袋町小平和資料館。被爆直後、救護所になり、安否を尋ねる書き込みが残る貴重な壁を展示するが、訪れる人はまばらだ。卒業生で同館の運営に関わる山本正敏さん(72)は「個人客は1日10人程度。午前中、全く人が来ない日もある」と話す。


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