Uターン村八分、争う姿勢 初弁論で大分の自治区長ら

 Uターンした大分県宇佐市の集落で「村八分」のような差別的な扱いを受けているのは人権侵害だとして、60代男性が自治区長ら3人と市に330万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、大分地裁中津支部(沢井真一裁判長)で開かれた。区長と市側は、請求棄却を求めて争う姿勢を示した。

 訴状によると、男性は2009年、出身地の集落(14世帯)に関西地方から移住。当初は地域の行事に参加するなどしていた。だが、農家への補助金の取り扱いを巡ってトラブルとなり、住民票を移していないことを理由に、13年から自治区の構成員を外された。

 住民票を移した後も「全員の賛同が得られない」と自治区への加入を拒まれ、市報や行事の連絡も届かない状態が続いているとしている。

 男性は昨年11月、大分県弁護士会へ人権救済を申し立てた。同会は「人権侵害に当たる」として自治区へ是正勧告したが、男性は状況が改善しないとして、区長を委嘱する市も相手に提訴した。

 男性の弁護士によると、市は「区長らは公務員ではないので市に責任はない」という趣旨の答弁書を、初弁論で提出したという。


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