ハンセン病元患者が都内で講演 「生きている限り伝える」

ハンセン病に関する勉強会で、自身の経験を語る上野正子さん(右)=23日午後、東京都台東区

 国による強制隔離政策が続いたハンセン病問題で、国が全面敗訴した国家賠償訴訟で原告だった元患者の上野正子さん(91)が23日、東京都内で講演した。療養所内での人権侵害の実態や裁判での闘いを話し「夢だった学校の先生にはなれなかったけど、語り部活動でいろいろな人と会えた。生きている限り、元気な限り伝え続けたい」と誓った。

 沖縄県出身の上野さんは、子どもの頃に国立ハンセン病療養所「星塚敬愛園」(鹿児島県鹿屋市)に入所。家族に偏見が及ばないよう偽名を使い、園内では子どもを持つことが許されなかったため、夫が断種手術を受けた経験を語った。


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