元組員の生活保護認める 静岡地裁、がん治療で暴力団脱退

 がん治療のために暴力団を脱退した静岡市の男性(66)が、生活保護の支給を認めなかった市に処分取り消しなどを求めた訴訟の判決で、静岡地裁(細矢郁裁判長)は26日、「生活保護の要件を満たしており、処分は違法」として取り消しを認めた。

 判決によると、男性は暴力団組員だった2014年3月に肝細胞がんと診断され14年5月、静岡県警から発行された「脱退届出承認書」を市に提出し生活保護を申請。市は暴力団をやめた理由が病気だったなどとして却下した。

 訴訟で市側は、男性が生活保護の申請時、暴力団を正式に脱退したと認められないとして「要件を満たさない」と主張していた。


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