越路吹雪の舞台衣装を展示 文化学園服飾博物館

越路吹雪の舞台衣装=東京・代々木の文化学園服飾博物館

 18世紀から現代までの欧米における女性ファッションの変遷をたどる企画展「ヨーロピアン・モード」が、東京・代々木の文化学園服飾博物館で開かれている。約250年前のドレスなど、同館が所蔵する貴重な衣類や小物が並ぶ。注目はテレビドラマで話題の歌手越路吹雪(1924〜80年)が着用した舞台衣装約20点だ。担当者は「ステージに懸ける越路の情熱が感じられる」と話す。

 越路は戦中から戦後にかけ、宝塚のトップスターとして活躍。退団後は「愛の讃歌」などの名曲を歌い「日本シャンソン界の女王」と呼ばれた。晩年まで続けたリサイタルでは、本場パリのオートクチュールを好んで身に着けた。

 企画展では、79年に有楽町の日生劇場で行われたロングリサイタルで着ていたニナ・リッチの赤いドレスや、当時の流行を反映したサンローランのジャンプスーツなどを展示。いずれも越路の死後に寄贈されたもので、一堂に陳列されるのは約30年ぶりだという。

 学芸員の村上佳代さんは「どの衣装も、舞台上で動いたときに美しく見えることを意識してデザインされている」と話す。袖にドレープをたっぷり取ったり、スパンコールを不規則に重ねて光を散らしたりと、聴衆を目でも楽しませる工夫が凝らされているという。

 企画展は5月11日まで。入館料は一般500円など。日曜、祝日休館。


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