世界遺産、沖ノ島の大祭取りやめ 保全強化のため、上陸機会消滅 

2017年5月、福岡県宗像市の沖ノ島で開かれた宗像大社沖津宮の現地大祭

 宗像大社(福岡県宗像市)は16日までに、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に昨年登録された沖ノ島で、市民や観光客を招いて毎年5月27日に実施していた現地大祭を、今年から取りやめることを決めた。保全の取り組みを強化するため。一般人は上陸の機会を完全に失う。

 沖ノ島は玄界灘に浮かぶ外周4キロの孤島で、全体が大社の「沖津宮」。4~9世紀に大陸との交流成就を願う国家的祭祀が繰り返された。女人禁制で、日々の神事を執り行う神職以外、男性も原則として上陸できない。

 現地大祭は、日露戦争の日本海海戦を後世に伝えるため、1950年代に始まった。


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