重水漏れ、がん療法臨床研究中断 京大原子炉、運転再開直後1カ月 

京都大原子炉実験所の研究炉「KUR」=大阪府熊取町

 8月末に運転を再開した京都大原子炉実験所の研究炉「KUR」(大阪府熊取町、出力5メガワット)が9月に重水漏れを起こし、原子炉などで発生した中性子線を使ったがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の臨床研究が約1カ月間中断していたことが18日、原子力規制委員会などへの取材で分かった。

 KURは東京電力福島第1原発事故後の2014年に定期検査で停止。京大は安全対策工事などを進め、16年に新規制基準の適合性審査に合格し、今年8月29日に運転を、同31日に臨床研究をそれぞれ再開したばかり。京大は「患者がこの療法を受けられなくなり、申し訳ない」としている。


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