元首相銃撃事件、無期懲役を求刑 裁判員裁判で検察側

安倍元首相銃撃事件の論告求刑公判が開かれた奈良地裁の法廷=18日午前(代表撮影)

 2022年7月に奈良市で参院選の応援演説中に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判が18日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれ、検察側は無期懲役を求刑した。この後、弁護側の最終弁論、被告の最終意見陳述を実施し結審する予定。

 被告は「私のしたことに間違いありません」と殺人罪の起訴内容を認めている。最大の争点は量刑で、判決は来年1月21日に言い渡される。

 検察側は論告で、被告の襲撃対象が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)幹部から安倍氏になったことについて「最後まで納得できる説明はなく、論理的に飛躍がある」と指摘。安倍氏が殺害される落ち度はなく、犯行は「短絡的で人命軽視は甚だしい」と述べた。

 論告に先立ち、安倍氏の妻昭恵さんの代理人弁護士が「突然の夫の死は衝撃的過ぎて頭が真っ白になった。かなり長い間、夢の中にいるようだった。罪をきちんと償うよう求めます」との昭恵さんの陳述書を読み上げた。昭恵さんは出席しなかった。


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