パレスチナを一斉に国家承認 英・カナダ・豪・ポルトガル

スターマー英首相=16日、ロンドン(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】英国とカナダ、オーストラリアは21日、パレスチナを国家承認したとそれぞれ発表した。英国とカナダの承認は先進7カ国(G7)で初めて。同日にポルトガルも承認を発表。フランスも22日に承認する意向だ。パレスチナ自治区ガザで飢餓や栄養失調による死者が後を絶たない中、地上侵攻を強めるイスラエルに一斉に圧力を強化した。

 22日は米ニューヨークの国連本部でパレスチナ問題解決に向けた国際会議が開かれる。

 G7ではイスラエルの後ろ盾の米国が承認に否定的な立場。日本はイスラエルの態度硬化につながるとして承認見送りの方針を表明した。ドイツも、ナチス時代のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の加害責任からイスラエル寄りの立場で、慎重姿勢を貫いている。

 世界では約150カ国がパレスチナを国家として承認。9月の国連総会に合わせ、ガザでの停戦実現や人道状況の改善に向けた動きが活発化した。承認は象徴的な意味合いが大きく、ガザ情勢の早急な改善は期待できないとみられる。


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