2023年2月15日 23:30 | 無料公開

「せんだい宇宙館」の職員が望遠鏡を通しスマートフォンで撮影した、中国の偵察気球に似た飛行物体=2019年11月20日、鹿児島県薩摩川内市(同館提供)
防衛省は14日、2019年11月と20年6月、21年9月に九州と東北で確認された3件の飛行物体について、中国が飛行させた無人偵察用気球だと強く推定されると発表した。外交ルートを通じて中国政府に事実関係の確認と再発防止を強く求め、領空侵犯は断じて受け入れられないと申し入れたと明らかにした。
防衛省によると、中国の偵察用気球と推定される物体が確認されたのは、19年11月が鹿児島県、20年6月が宮城県、21年9月が青森県のそれぞれ上空だった。
宮城で見つかった際には福島県でも確認された。青森は八戸市上空だった。14日には、鹿児島県薩摩川内市などでも目撃されていたことが新たに分かった。政府はこの他、22年1月に九州西方の公海上で所属不明の気球を確認していたと公表。中国の偵察気球との関連を調べている。
米国では現地時間4日、東海岸南部沖で米軍が中国の偵察気球を撃墜。残骸の回収と分析を行った。防衛省は米国の動きを踏まえ、日本領空で過去に確認された飛行物体の分析を進めていた。