性的画像撲滅を「教え子を守る」 元陸上選手、市川華菜さん

中京大陸上部の練習で学生を見守る市川華菜さん=愛知県豊田市

 陸上女子の元短距離選手で2012年ロンドン五輪に出場経験のある市川華菜さん(31)が、アスリートへの性的な意図を持った撮影や画像拡散について被害撲滅を訴えている。今春に母校・中京大陸上部のコーチに就任し「指導者になって見えるものが変わり、教え子を守らないといけないという気持ちになった」と心境の変化を語った。

 会場での隠し撮り行為を指導者として目撃したのは5月下旬、大学生の大会だった。ゴール付近のスタンドからレースを見ていると、女子選手がゴールして倒れ込んでいる姿を、望遠レンズ付きカメラで熱心に撮る男性が目に付いた。

 不審な撮影だと判断した市川さんが「撮ったものを消してもらいたい」と声をかけ、大会本部に男性を引き渡した。「選手はレースで全力を出し切った後だと、周りに気を使っていられないこともある。その隙を狙うのはひどい」と、行為の悪質さを訴えた。

 現役時代、市川さんも性的画像問題に直面していた一人だ。試合時には競技場だけでなく、ウオーミングアップをするサブトラックでも無断で写真を撮られるのは「日常茶飯事だった」。純粋に応援してくれるファンが大半だったが、悪意のある撮影者が紛れていることには不安が残った。

 記録を伸ばした大学時代にはメディアへの露出が増えた一方、望まない形で取り上げられたことも。「成人向け雑誌の袋とじの表紙に写真が使われて、(日本陸上競技)連盟に注意されたことがある。自分も全く知らなかった」と、苦悩があったと振り返る。


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