参院選、首相経験者も東奔西走 自民安倍、立民菅氏ら舌戦

首相経験者の参院選での主な発言

 10日投開票の参院選では、全国を駆け巡る与野党党首に加え、首相経験者も奔走している。自民党の安倍晋三氏は在任中の実績をアピールしつつ、悲願である憲法改正の実現へ声をからす。立憲民主党の菅直人氏は、野党第1党の座を狙う日本維新の会の拠点・大阪に乗り込み舌戦を展開。社民党初代党首の村山富市氏は地元大分で、憲法9条堅持へ「体力の許す限り頑張る」と力を注ぐ。

 「自衛隊が憲法に書かれていないから違憲だと言う憲法学者の方が多い。この状況に終止符を打たなければいけない」。安倍氏は1日、三重県四日市市の演説で強調した。選挙期間中に北海道から九州まで回り、改憲の必要性を訴える。

 防衛費増額の重要性や自らの経済政策「アベノミクス」、集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法の成立に触れるのも忘れない。菅義偉氏も沖縄などを訪れ、新型コロナウイルスのワクチン接種を推進し、携帯電話料金を引き下げた自らの取り組みを紹介し、支持拡大を図る。

 菅直人氏は大阪選挙区での必勝を期す「特命担当」として頻繁に現地入り。維新が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致阻止を掲げ、真っ向勝負を挑む。野田佳彦氏は地元千葉を中心に、山梨や長野など激戦区で「アベノミクスは失敗だったと総括する参院選にしなければいけない」と自民批判を繰り広げる。

 憲法9条を守るため「何としても参院選に勝利しなければならない」と決意を示すのは98歳の村山氏。社民の存亡を懸ける参院選に合わせ、党機関紙に激励文を寄せたほか、先月29日には大分を訪問した福島瑞穂党首と会い「絶対負けたらいかん」と奮起を促した。


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