異種移植、人からは見られぬ異常 ブタの心臓、米メリーランド大

 【ワシントン共同】米メリーランド大のチームは22日、重い心臓病の患者に対するブタの心臓移植の結果を論文報告した。1月の手術から7週間にわたり心臓は血液を送り続けたが、その後に急変。心臓の壁が厚くなり心筋が壊死するなど、人間からの臓器提供では通常みられない現象が起きた。心臓の機能が失われ、2カ月で生命維持を断念した。

 ブタ由来の「サイトメガロウイルス」も検出、感染症が体調悪化のきっかけになったとの見方もある。移植を希望する人に比べて提供者は少なく、動物の臓器を使う「異種移植」への期待は根強い。チームは実用化に向け検証を続ける。


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