無罪男性のDNAデータ抹消命令 賠償請求は棄却、名古屋地裁

「勝訴」と書かれた紙を掲げる弁護士と原告の奥田恭正さん=18日午後、名古屋地裁前

 マンション建設の反対運動中、現場監督に暴行したとして逮捕、起訴され、その後無罪が確定した名古屋市の薬剤師奥田恭正さん(65)が、警察が保管しているDNA型や指紋、顔写真などのデータの抹消を国に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は18日、3種類のデータの抹消を命じた。代理人弁護士は「無罪確定後に抹消を命じる判決は初めてではないか」としている。国と県への損害賠償請求は棄却された。

 西村修裁判長は判決理由で、無罪確定者のDNA型などを保管する場合は、余罪の存在など具体的な必要性が示されるべきだと指摘。示されない場合は「保管する必要がなくなったと解すべき」と述べた。


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