総裁選、賃上げ誘導や税制で持論 4候補、人件費へ配分促す

 自民党総裁選の立候補者4氏は19日のフジテレビとNHKの番組で、賃上げに向けた考え方をそれぞれ語った。河野太郎行政改革担当相は労働分配率を高めた企業の法人税を減税する考えを改めて強調。岸田文雄前政調会長と高市早苗前総務相も税制などを通じて賃上げを誘導する考えを示した。野田聖子幹事長代行は最低賃金引き上げの着実な実施などを挙げた。

 河野氏は「まず企業が社員の賃金を上げる」として、法人税減税を通じて稼ぎを人件費に振り向けるよう促すことを主張。失業した人などが成長産業に移れるような制度拡充にも意欲を示した。

 岸田氏は「企業が株主だけでなく従業員にも(収益向上に伴う)成長の果実を配分するよう税制などを使って誘導していく」と発言。国などが公的に給与を決める職種の「給料を引き上げ民間を誘導する」とも述べた。

 高市氏は法人税減税以外の賃上げを促す手法として「企業の現預金に対して課税する。ただし、従業員の給料を上げた場合には課税を見送る。こういった形が非常にいいのではないかと思っている」と語った。

 野田氏は最低賃金引き上げについて「きちっとルール通りの賃金上昇を考えていかなければならない」と指摘。新型コロナウイルス禍からの経済再開で非正規やアルバイトの雇用を戻すことも重要だとした。


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