日本兵の通帳、遺族に返還 硫黄島の戦いから76年

兄の長治郎さんの遺影と郵便貯金通帳を持つ日比公治郎さん=28日、横浜市内の親族宅(日比さん提供)

 【ワシントン共同】太平洋戦争末期の激戦地、硫黄島(東京都小笠原村)で戦死した日本兵の下から米兵が持ち帰った郵便貯金通帳が28日、保管していた米首都ワシントンの日米交流団体から日本の遺族に返還された。日米合わせて約2万9千人が死亡した「硫黄島の戦い」から76年。遺族側は「遺骨も返ってこなかった。奇跡的なことだ」としている。

 ワシントンDC日米協会が、通帳の持ち主の弟、日比公治郎さん(93)=千葉県在住=の家族に送付。同協会と日比さんが28日、ビデオ会議システムを使って会合を開き、日比さんの手に同日渡ったことが確認された。


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