ベネチア「危機遺産」回避 オーバーツーリズムに懸念

イタリア北部ベネチアの港に停泊するクルーズ船(奥)=2019年6月(AP=共同)

 【ローマ共同】オンラインで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は22日、「水の都」として名高い世界遺産のイタリア北部ベネチアについて、存続が危ぶまれる「危機遺産」への指定を見送った。ユネスコは6月、観光客が押し寄せ住民の生活が害される「オーバーツーリズム」などへの懸念を示し、危機遺産指定を勧告していた。

 1987年に世界遺産に認定されたベネチアはイタリア有数の名所として世界中から観光客が殺到。新型コロナウイルスのパンデミック発生以降は旅行者が激減したが、ベネチアに来る大型クルーズ船が環境や景観を壊しているとして長年問題になっていた。


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