線路幅拡大を把握も補修せず 富山地方鉄道の脱線事故

カーブを走行中に脱線した富山地方鉄道の電車=2020年7月(運輸安全委員会提供)

 運輸安全委員会は24日、昨年7月に富山市の富山地方鉄道本線東新庄―新庄田中間で電車が脱線した事故の調査報告書を公表した。線路幅の拡大を把握していたのに補修しなかったことなどが脱線につながった可能性が高いとした。

 報告書によると、同社は事故前の検査で現場の線路幅が基準値を超えていると認識していたが、直す期限についての規定がなかったため、他の箇所の補修を優先していた。レール締結装置も不良と判定していたのに整備していなかった。

 事故は昨年7月26日に発生。2両編成の上り電車が東新庄駅近くのカーブを時速34キロで走行中に脱線した。乗客乗員32人にけがはなかった。


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