聖火、震災遺構照らす 行方不明の長男思い駆ける

聖火のトーチを掲げて走る竹沢守雅さん=21日午後、仙台市若林区(代表撮影)

 東京五輪の聖火リレーは、21日午後も宮城県で続き、東日本大震災で被害が出た沿岸部の名取市閖上地区や津波の脅威を伝える遺構を巡る。震災遺構の荒浜小(仙台市若林区)では、竹沢守雅さん(53)が、行方不明になったままの長男への思いを胸に走った。聖火は静岡県に移り、23日からリレーが始まる。

 震災時、閖上地区にいた家族4人を失い、うち生後約8カ月だった長男雅人ちゃんと義母は行方不明のまま。「生きていれば生涯出会った人の数だけ、息子のことを知ってほしい」。絵本の出版や講演を通して、妻さおりさん(45)と雅人ちゃんのことを伝えてきた。


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