核禁条約発効に「被爆者の力」 長崎原爆平和宣言を議論

平和祈念式典で読み上げる平和宣言文の第1回起草委員会で、発言する長崎市の田上富久市長=12日午前、長崎市

 8月9日の「長崎原爆の日」に開く平和祈念式典で、長崎市の田上富久市長が読み上げる平和宣言文の第1回起草委員会が12日、市内で開かれた。被爆者ら委員の意見に基づき、市が作成した原案について議論。1月に発効した核兵器禁止条約の実現に向け「多くの被爆者が関わってきたことを盛り込めないか」といった意見が出た。

 委員の被爆者は「核軍拡競争や世界の軍事費の増加に言及を」と危機感を訴えた。別の委員は核廃絶に関し「国の指導者だけでなく、市民も当事者だ」と指摘。「私たちは被爆者の声を聞ける最後の世代だと強調したらどうか」と提案した。


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