幻の沖縄米海兵隊「削減」案 抑止力低下懸念で撤回、日米交渉

沖縄県・伊江島で訓練する米海兵隊員=2020年10月

 1995年9月の米兵による少女暴行事件を機に始まった沖縄の米軍基地負担軽減を巡る日米交渉で、駐留する米海兵隊の規模を、定数より少なくなっていた実際の人数で公表する案が両政府の一部の間でまとまっていたことが15日、関係者への取材で分かった。高まる反基地感情を沈静化し、削減を印象付ける狙いだったが、抑止力低下を懸念する旧防衛庁の反対で最終的に撤回された。

 基地負担の抜本的な軽減策を打ち出せない中、海兵隊が常態的に定数を下回っていた点に着目。「奇策」で対処しようとした状況がうかがえる。96年の米軍普天間飛行場返還合意から今月で25年。負担軽減は見通せない。


  • LINEで送る