九大事件証言者の東野利夫氏死去 大戦末期の生体解剖

東野利夫氏

 太平洋戦争末期に九州帝国大(現九州大)医学部で米兵捕虜に「実験手術」が施された「九大生体解剖事件」に立ち会った医師、東野利夫(とうの・としお)氏が13日午前4時40分、肺炎のため、福岡市の病院で死去した。95歳。福岡市出身。葬儀・告別式は家族葬で執り行われた。

 九州帝国大医学部に在学中の1945年、故遠藤周作さんの小説「海と毒薬」のモデルにもなった米兵捕虜の生体解剖実験を目撃した。戦後、福岡市で産婦人科医院を開業。2008年に九州大で行われた日本生命倫理学会で講演し、事件について証言した。


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