ボノボ、他の群れから養子 大型霊長類で初確認、京大

他集団から来た子ども(右)を毛繕いするボノボの雌(徳山奈帆子氏提供)

 アフリカのコンゴ(旧ザイール)に生息する霊長類ボノボの野生の雌が、自分の群れの外から来た子どもを受け入れ、養う様子を2例観察できたと、京都大の徳山奈帆子助教(霊長類学)らのチームが18日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。人間に近い大型類人猿で集団を超えた“養子”が確認されるのは初という。

 他の群れと敵対したり雄が子どもを殺したりするチンパンジーと違ってボノボは穏やかで、雌は子ども好きが高じて誘拐することもある。徳山さんは他集団から養子を迎える行動について「一見メリットはないが、知らない個体も助ける寛容さが原因ではないか」と推測する。


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