岩手・大槌で津波避難訓練 高齢者はリヤカーに乗せて

東日本大震災から10年を前に、津波を想定して行われた避難訓練。自力避難が難しい高齢者をリヤカーに乗せ高台に向かった=7日午後、岩手県大槌町

 東日本大震災で津波に襲われ、甚大な被害に遭った岩手県大槌町の安渡地区で7日、避難訓練が行われた。住民約100人が参加。自力避難が難しい高齢者をリヤカーに乗せて避難場所の高台を目指した。

 午後2時ごろ大津波警報が発令されたと想定。住民らは「津波が来るぞ」「頑張れ」と励まし合いながら坂道を駆け上った。昨年の避難訓練はコロナ拡大で中止していた。

 リヤカーに乗って避難した長峰登喜子さん(82)は「皆に助けられて心強かった。着の身着のまま必死で逃げた当時を思い出した」。訓練後、地震発生時刻に合わせて犠牲者を弔う慰霊塔の鐘が鳴らされ、参加者は海に向かって黙とうした。


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