デブリ取り出し、21年開始断念 コロナ影響、1年遅れで検討

東京電力が公開した、福島第1原発2号機の原子炉格納容器底部を撮影した動画の一部。中央に写っているのがデブリとみられる堆積物

 東京電力が福島第1原発2号機で2021年に始める予定だった溶融核燃料(デブリ)の取り出し作業を断念する方針を固めたことが23日、関係者への取材で分かった。英国での作業用機器の試験が新型コロナウイルス感染拡大の影響で停滞していることなどが原因。遅れは1年程度とする方向で検討している。

 当初は、8月ごろに英国内で動作確認などをした上で、来年2月ごろに日本に運び、作業員が操作訓練をする予定だった。だが英国での新型コロナ拡大に伴い、工場などに集まる人数が制限され、英国側の作業は進んでいない。東電は一部の試験を日本で実施するなど工程変更を検討している。


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