色っぽい曲、好きなだけ 粋曲の柳家小菊が独演会

高座で粋曲を披露する柳家小菊

 寄席を中心に、三味線を弾きながら都々逸や端唄など江戸の粋曲を披露している柳家小菊が8日、東京都千代田区の国立演芸場で「柳家小菊 粋の会」を開く。柳家さん喬が出演し、落語家をゲストにした独演会は約2年ぶり。たっぷりの持ち時間で「落ち着いた、色っぽい歌を好きなように歌いたい」と意気込んでいる。

 寄席ではトリの落語家の前に登場し、10分程度の出番で「楽しく聴ける軽いもの」を弾くことが多い。だが、自分の会を毎年開いていた師匠、故柳家紫朝にならって「大人向きの、歌としては難しいものもちゃんとやりたい」と、折を見て機会をつくってきた。

 小菊が冒頭とトリで約30分の高座を務め、長年の友人の女流義太夫三味線方・鶴沢津賀寿との共演、さん喬の落語を挟むという構成。小菊の高座で目玉となりそうなのが、故古今亭志ん生が得意とし、火消しの夫の無事を願う女房の心情を描いた「冬の夜」だ。志ん生のイメージが強く手を出しにくかった曲と言うが「誰かがやらないともったいないじゃないですか」。「女の歌」として手掛けるつもりだ。

 津賀寿との名曲「たぬき」の掛け合いもお楽しみ。「三味線の違いを聴き比べていただければ」


  • LINEで送る