名古屋大、データ疑義で論文撤回 次世代炭素材料関連、調査委設置

 名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎拠点長らが昨年、英科学誌ネイチャーに発表した次世代炭素材料に関する論文の実験データに疑義があり、名古屋大は27日、経緯や研究不正の有無を調べる調査委員会を設置したと明らかにした。ネイチャーは25日付で撤回を発表した。

 論文は炭素材料として注目が集まる「グラフェンナノリボン」を精密に合成する技術を開発したとの内容で、昨年6月26日付のネイチャーに掲載された。

 名古屋大やネイチャーの発表によると、物質の分子量を調べる「質量分析」の実験結果に不自然な点があった上、基となったデータを確認できなかった。


  • LINEで送る