運輸、医療で過重労働増 コロナ禍、過労死白書

病院の集中治療室(ICU)で、新型コロナウイルス重症患者の治療に当たる医療従事者=4月、川崎市

 政府は30日、過労死・過労自殺の現状や国が進める防止対策をまとめた2020年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。新型コロナウイルスの感染拡大が労働時間に与えた影響を調査。医療や運輸で過労死ラインを大幅に上回るペースで働いた人の割合が増えた。過去の労災認定事案を分析した結果、過労死を含む脳・心臓疾患に関して、長い拘束時間や深夜勤務が労働者の負担になっていることも分かった。

 医療と運輸で働く労働者は、かねて労働時間が長く、過労死や過労自殺も多いが、働き方改革の一環で導入された罰則付きの残業上限規制の適用を猶予されている。


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